★國分功一郎 - 来るべき民主主義★

國分功一郎の「来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題」を読んだ。東京都小平市に計画されている都道の建設反対運動に参加した著者が本運動を通じて、日本の民主主義と「呼ばれているもの」のシステムの不具合に『気付く』。この本は、おおまかに以下の点がまとめられている。
 ・都道建設反対運動の内容と、民主主義と「呼ばれているもの」の不具合に『気付く』までの流れ
 ・不具合を修正する提案
 ・自分の専門である哲学との関連付け(哲学とは「考え方の見通しを良くするツールである」と再認識しました)


「システムの不具合」詳細
民主主義では、立法府こそが統治に関する決定を下す機関であり、行政は決められたことを実行する執行機関に過ぎない。
しかし、現在の日本のシステムの中では、ほとんどのことを行政機関が決めている。
立法府としての議会は、行政が作る予算案に対して承認するだけだ。
そして、この行政権の中における意思決定に民衆は関われない。
つまり、議会の選挙を通して「立法権」にほんの少し関わることができるに過ぎないにも関わらず、民主主義と呼ばれている。
研究者も含めて、多くの人達は「代議制によって立法権関わる=民主主義」と思いこんでいる(=常識と思っている)
つまり、事実上、民主主義になっていないにも関わらず「民主主義」と呼ばれている。
→ 今って民主主義になってないよね?という視点無くして「気付く」ことが出来ない重大な不具合・欠陥!
「気付き」くことで取れる新たな対策
これからの日本の民主主義が目指す道は、行政権にも民衆が関わることのできる制度を整えていくことだという。
「議会がどうあるべきかをもっと考えよう」というような意見とは全く別の視点に立った対策


この本に書かれている明瞭な意見は、都知事である猪瀬直樹まで届くだろう。内容は非常に分かりやすく、何せ、説得力が高い(著書の中では終始穏やかな物言いでだが、その裏では相当な自信もあるはず)。無視することは出来ない。


●ちなみに、この人の前作である「暇と退屈の倫理学」という本もかなり良かった。どの本も、何度も推敲されたであろう非常に綺麗な構成・文言等で書かれておりが、素人にも分かりやすいように丁寧にまとめてある。以下、参考まで。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130613ddm004070008000c.html
http://www.huffingtonpost.jp/2013/05/05/story_n_3220626.html?utm_hp_ref=tw


暇と退屈の倫理学

暇と退屈の倫理学




チェックしてみます。

イノッチも気になる。佐野眞一騒動での反射神経、その記憶力に博士が舌を巻いていた。


自分の事だけはしっかり覚えているって感じもするけどね。今までの彼の著書も「自分の活動をキチっと記録する」という面、すなわち、アーカイヴ欲が強いね。確かにタイミングはすごいよね。ヤるき満々。


民主主義

市民活動とか選挙に関わってあらためて、一市民がどう政治にアプローチするのか。
難しいし、マル激なんかで民主主義が根付いていないって言ってるのもわかる。
結局上から降ってきたもののようとしか感じないし、有り難みもよくわからない。
(民主主義を自分たちが血を流して勝ち取ったわけではないから。)
都市だと余計に生活との密着感もわからない。ただ地方にいったらいったで
アプローチは比較的しやすそうだけど、人間関係ドロドロしてそうだなぁ(どこも変わらないか)
普通に生活する分にはそれほど不具合にぶち当たるわけでもない。
色々な不具合、不合理を見なきゃ見ないでやり過ごせるけど、気にすると結構色々やられてるぜっていう。
お任せ民主主義から引き受ける民主主義へ。(うん。みんな忙しすぎるよね。)


まぁ、国分先生の本は『多く住民たちの「こうあって欲しい!」という意思が、キチッと通るように制度を整えよう』という点の指摘です。民主主義と呼ばれている社会であるにも関わらず存在している【民主主義システム/制度の不備】を指摘するところが、この本の非常に建設的で良いところかと。『いつも政治にしっかり取り組もう、関心を持とう、真面目に取り組もう』というのは、この本の論点では無くて(大事だけど)、むしろ、これ以外のアプローチをしたところに個人的には感心した。

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東京ミキサーは坂口恭平とつながったので(どうつながったかは忘れた

TOKYO一坪遺産 (集英社文庫)

TOKYO一坪遺産 (集英社文庫)

これだ。
読んでみた。
オモロ。今からすればメンツが豪華。岡本太郎いたりオノヨーコいたり
赤瀬川原平カニ缶(だっけ)のラベルを缶の中に貼り付けて
宇宙をパッケージしたって発想はすごいなぁ。
キュビズムもその発想原理が分かって凄いと思う。


希望の現場 メタンハイドレート (ワニプラス)

希望の現場 メタンハイドレート (ワニプラス)

資源を自前で賄い、果ては輸出までいけるのか。まーこれも役人だったり財界だったりアカデミズムの行動原理がわからん。
(いやわかるんだけど、保身しかない。前提条件なんてまったく疑ってない。(泣))

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山奥でくらしを始める理由が面白い。

理由が書いてある日記のアドレスくれ。
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http://suterusuterare.blog.fc2.com/blog-date-201212-0.html
http://suterusuterare.blog.fc2.com/blog-date-201301-0.html
つらいっすね。